『昼と夜は真逆の顔』 「池野君、ちょっと、来たまえ」 よく通る声がオフイスの中に響き渡った。 「ねえー、またよ」 「ホント、渋沢部長ったら、何かと池野さんに当たるのよね!」 「でも、意外と二人はデキてたりして、フフフ」 「ええっ?、ううん、ナイナイ。だってもう彼女間もなく三十路でしょ」 池野真由美が渋沢の席へ歩んでいくのを見ながら、オフイス雀の密やかな会話が交わされていく。 「これはねー、こう 続きを読む